《フィンランディア》初演 ― 1900年7月2日
小国が大国の支配から脱しようとした時、音楽が〝心の武器〟として大きな役割を果たしたという話を一つ。時は20世紀直前、場所はフィンランドのヘルシンキ、作品は若き愛国者ジャン・シベリウスの交響詩《フィンランディア》だ。
19世紀末、帝政ロシアの支配下にあったフィンランド ― フィンランドは1809年頃から第1次世界大戦終了近くまでロシアに支配されていて、特にニコライ2世の統治下(1894年〜1917年)で強い支配下にあった。 ― だが、1900年にパリで開かれた万国博に自国のパビリオンを設けて参加した。そして7月2日、ヘルシンキで開いた記念コンサートの1曲に、シベリウスが1899年11月ヘルシンキの劇場で上演された愛国歴史劇《歴史的風景》のための音楽の終曲が選ばれた。
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